扇子ブーケ制作風景

ども、、、

今回は奈良のコンテストに出したブーケの制作風景です。

テーマは「万葉の風~雅(みやび)~」、、、いつもアレンジメントを出展していますが、テーマを見て扇子が浮かんだのでアレンジメントではなくブーケを出展するコトにました。

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ベース/

"風=風を起こすモノ"で扇子…少し安直ですが、インスピレーションを大事に"極上の扇子ブーケ"に仕上げるべくデザインを練ります。
本物の扇子からベースになるサイズを出します。
一般的な"夏扇子"と呼ばれている物は開いた状態で400前後、出品の規定サイズは幅500、奥行き450、なのでほぼ原寸で制作。
表面と裏面の型紙をベースを元に抜いて行きます。



例年はもっと抽象的にテーマを捉えますが、今回はどうせならストレートに"万葉"と"雅"も盛り込むスタンス。
和という共通のイメージを持つ2つですが、どちらかと言うと相反する印象を受けるので扇子の表裏に分けて表現したいと考えました。
ヒューケラ(ツボサンゴ)を用いた万葉面…素朴な背景に輝く花々が特長の表に対し、裏はシンプルに着物地と線のみの構成で仕上げます。

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表面/万葉

ヒューケラを押し花、茶色での型紙に木工ボンドで貼り付けています。
色は3種、葉も表裏を使って風合いを出します。
画像は貼りあわせたままですが…この上から油性スプレーニスを吹いています、透明色のクリアーですが出来るだけ"てかり"を抑えたいので"つや消し"を使用。
渇いての破損、お花を入れた際に霧吹きも使うのでコーティング効果は大きいです。


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裏面/雅

裏面は着物を切り取った生地を貼り付け、左右は普通に折り返し、生地が厚いので上下部は折り返さずにカット…断面を綺麗に見えるように金色の紙でカバー。
"高級紙折り紙セット"という折り紙の中に入っていた紙を使いました…タバコを巻いてある紙に近い質感。


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骨組み用のワイヤー/

骨組みに使うワイヤーは#18ワイヤーを使用。
使う箇所に合わせて1、2本を使い分け、黄色のフローラルテープを巻いた後#28のゴールドワイヤーで巻き止めます、、、ひたすら巻いて巻いて(笑)
全体に使ったゴールドワイヤーは画像のモノが6巻き半。

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骨組みのイメージ/

それぞれが重なる部分を"要(かなめ)"と呼ぶらしいです。
それぞれのパーツに厚みがある為、それそれの要部は金槌で叩いて薄くしておきます。

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羽部の張り合わせ作業/

表面と裏面を張り合わせ、中にワイヤーを仕込んでおきます。
しっかりと合わせて雑誌の間に挟み、重しを乗せて1日放置。
ボンドがはみ出すと苦労した面が台無しになるのでココは注意です(笑)


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組み上げ/

トップの骨は角度をつけて上部50mm進み、90度折り10mm…下がった点を縦の骨組みと繋ぎます。
羽と骨の連結は間に挟んでおいたワイヤーで縛ります。
羽1枚のサイズが微妙に違うので、トップの骨は先に折らずに縛りながら折った方がクオリティーが高いですね。


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扇子完成/裏

組み上げて完成。
上下の補強は十分ですが、前後の反り返りを安定させ為にワイヤーを入れます。
羽の裏側が少し弱いですが、こちらは後半にお花をつけながら補強します。


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扇子完成/表

羽と羽に隙間を作る理由は1つ!
個人的なこだわり…『石化柳をいかす』為です(笑)

石化柳最高です!


もう…ほら、赤字で大きくしたくなるほど好きです(笑)
毎年、必ず石化柳を使うのが私のテーマでして、、、デザインの決め方も…フォルムとイメージ、そこにどうやって石化柳をいかすか?…これがスタート地点です。
動きが特長の石化柳を少しでも配置し易くする為に一工夫といった感じ。

中々の扇子が出来た所でスタンド作り。

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ブーケスタンド/

仕上がったブーケが、、、何より石化柳が少しでも美しく見えるスタンドを制作。
背面部のみアルミ棒を使用、着物面をソフトに支えます~
制作時間3分(笑)

扇子とスタンドが出来た所でようやくお花へ(笑)


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石化柳のワイヤリング/

ブーケのサイズ上、大きくダイナミックな動きとはいきませんが…それでも個性的な6本を選抜(笑)
個々の動きも重要ですが、配置した時の相乗効果も大事。
この6本が見事に組み上がれば…スペインサッカーのようになるはず(?)です(笑)
メインの石化柳が決まった所でお花もワイヤリング。
お花は胡蝶蘭が4種12輪、ゲットの実、ヒューケラ、ハイドランジャー。
チェーンとして使うハイドランジャー意外は全て保水、保水の巻上げのみブラウンのテープ、ゴールドワイヤーの下地部分はイエローのテープでテーピング。


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パーツA+B/

お花はA~Eの5パーツで構成、画像はAとBをドッキングしたもの。
少々面倒ですがワイヤー部分は全てゴールドワイヤーでビッケリング…地道に巻き上げていきます(笑)

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パーツE/

1番小さく最後に付けるパーツE。
この石化柳のみ背面にワイヤーを仕込んでいます、細く長いパーツで他パーツとのバランスを取る役割を担います。


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扇子とのドッキング/

画像はA+Bパーツをドッキングさせた所です。
この後C、D、Eの順番に合わせていきます、各パーツのトップに石化柳が輝いています~
その動きを連動させながらの作業、蘭パーツは花向きの調整が利きますが…石化柳は動きません。
その"わがままっぷり"もいいです。
主役っぽくっていいです(笑)


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要の装飾/

各パーツを組み上げ、要部分に飾りを施して、、、フィニッシュ間近!
ワイヤー入りの細いリボンを三つ編み、飾り石を合わせてハイドランジャーチェーンと連結…中々キュートじゃないでしょうか?

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完成/

出展会場前の階段、、、雨上がりでいい感じです。
見た目以上に持ちやすく、振り回して大丈夫な実用向きブーケに仕上がりました!

表は万葉、裏は雅、、、
風をイメージした石化柳の動きが最高!

テーマに対するアプローチは稚拙ともいえる入りですが、細部に手を抜かず組み上げました。
やっぱ、、、石化柳はいいですね!

"ギャラリーページ"にも追加、別ショットを掲載しています。